語句変換エンジン「チエちゃん」バージョン2.0


チエちゃん 2.0 で遊ぶ(要IE4.0, Netscape4.0以上)

 お遊びでJavaScriptによる標準語→似非大阪弁への変換スクリプトを作ってみたら、貧弱な辞書にも関わらず意外にも好評だったため、たまに思い出したようにバージョンアップしています。

 似非大阪弁への変換辞書は、元々は関 勝成氏のOSAKA.EXE付属のものを基に、十年ほど前から各種文献を参考にしながら細々とチューンナップし続けているものですが、未だに納得いく変換結果が得られていません(さっき「貧弱な辞書」と書いたのは、私が手を加えすぎたのが原因です。関氏は関氏で漫才師風の雰囲気をちゃんと出してましたが、私は語句の選定の一貫性に欠けていて、まとまりがない辞書でした)。というわけで変換結果にはあまり期待せんといてください。

 関東では関西弁というと「ガラが悪い」「漫才師みたいだ」という反応ばかりなのは、一寸残念なものです。関西弁といっても大阪弁、京都弁、広島弁などいろいろあり、大阪弁でも時と場合に応じていろいろなニュアンスを持つ言葉が使い分けられます。下品なヤクザっぽい関西弁もあれば、上品で心温まる関西弁もあるのです。

 私が関西弁に興味を持ったのはNHK大阪制作の朝の連続ドラマや、「じゃりン子チエ」がきっかけなのですが、「じゃりン子チエ」のお母はんの大阪弁は上品で暖かみがあって、聞いてて惚れ惚れします。雅やかな気品さえ感じられる京都弁や、思わず心が和んでしまう塩爺の河内弁は、言うに及ばないでしょう。

 そんな上品な関西弁を目標に改造してきたのですが、なかなか難しいものです。それに、上品を追求するよりも、日常のややラフな言葉に翻訳した方が面白いかもしれません。今後は「じゃりン子チエ」のチエちゃんの大阪弁をモノサシにして、変換辞書をチューンナップしていきたいと思ってます。

 そやけどアンタ、これがホンマもんの大阪弁かと思てそのまま使うたらあかんで、確実に笑われるで、気ィつけなはれ。

 文法解析などなしで、ただ単に言葉を置き換えているだけです。それだと幾つか問題が生じてきます。
 例えば、「書けない」→「書けへん」のように変換したいので「ない」→「へん」と変換するようにすると、「そんなことはない」→「そないなことはへん」「ものがない」→「ものがへん」(本当は「そないなことはあらへん」「ものがおまへん」)になってしまいます。 OSAKA.EXEにもこの問題があったので幾つかは修正していますが、まだ不完全ですし、完全に直すのはちょっと限界があります。

 また、ネイティブ大阪人にはまだチェックしてもらってません。 おかしいと思った方や「この単語は入れるべきだ!」と思った方は、掲示板で教えてくださいナ。ちなみにJavaScriptのソースはIEでは[表示]-[ソース]で表示できます。


変換辞書の変更方法

 変換辞書さえ用意すれば、例えば名古屋弁とか東北弁などへの変換プログラムにも容易に改造できます。

 HTMLソース中に、以下の部分があります。

# ----- 変換テーブル はじまり -----
# あいさつ
ありがとうございました,おおきに
さようなら,ほなさいなら
すみません,すんまへん

 この部分が変換辞書です。
  変換前語句,変換後語句
の構成で、変換の必要な単語数だけ並んでいます。CSV形式(カンマ区切形式)と同じフォーマットです。この部分を追加・削除・修正すれば辞書内容を変更できます。

 なお、#が行頭に付いている行はコメント(メモ)、あるいは無効になっている行です(その行にある内容は無視されます)。 例えば、上に書いた例では、「# あいさつ」の行はコメントです。

 最初の行から順次変換を開始していきます。例えば現バージョンでは

ですか,やろか
ですよ,や
ですが,やけど
ですね,やね
ですって,やて
です,や

となってますが、「です→や」の変換が「ですか→やろか」よりもずっと後になっているのには理由があります。 もし逆の順番だと、「ほんとうにそうです。」は「ホンマにそうや。」と正しく変換されますが、「ほんとうにそうですか?」を変換すると「ホンマにそうやろか?」ではなく、「ホンマにそうやか?」になってしまいます。 「ですか」を「やろか」と変換する前に「です」の部分を「や」に書き換えてしまうからです。 ですから、変換辞書の変換順も大切です。


■ 例文 ■

(この例文を「チエちゃん」で変換してみましょう。変換結果はあまり期待せんといて)

 あたしのおじさんのうちは、学校に行く道の途中にあります。丘のてっぺんの、オレンジ色の屋根に白い壁の小さな洋館。それがおじさんのうちです。
 でも、おじさんは親戚の間ではあまりいい顔をされていません。いつも変な発明にこっているし、もう40も半ばだというのに、奥さんもいないんですよ。そうそう、ずっと昔、会うたびに「早く結婚しろ」ってうるさく言われていたらしくて、何か、おじさんもいつのまにか親戚を避けてしまうようになったみたい。
 それに、時々、どこかに旅に出てしまうんです、突然。2年くらい前まであのうちは留守だったんです。どこに行ってたかと思うと、アメリカのカリフォルニアだったんですって。今はもう帰ってきているけど、おじさんって、相変わらず変わってるのよね。

※今のところ、「わたし」「私」→「わい」、「あたし」→「ウチ」(女言葉一人称)と訳し分けてます。


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