オマエモナー考

2001/04/18

「オマエモナー」。掲示板での迷惑な煽り発言を撃退する魔法の言葉らしい。

しかし、考えてもみれば、果たして現実社会で「お前もな」と突っ込みを入れる人って、どれほどいるだろうか。普通は、「お前もな」じゃなくて「それはお前だろ」と切り返すものらしい。

「『お前な』ということは、お前がそう(=バカ、気色悪い、死んでいい、など)ってこと認めてるんじゃん」。大抵はそんな反応が返ってくるだろう。

なるほど。でもそれこそ正に、「オマエモナー」の意味するところではなかろうか。

「お前が俺のことをバカ扱いしても気にしないさ。そうさ、俺はお前から見りゃあ、バカだろうよ。でもさ、そう言ってるお前だってバカじゃないのか?」

相手がバカと言うのを「そうさ、俺はバカさ」と、ワハハと笑って流せるだけの余裕がなければ、とても「オマエモナー」とは言えない。そうやって自分をユーモアのセンスで笑い飛ばした後、「でもお前だってそうだろ?」と切り返す巧みさ。たった一言だが、何と意味の深いことか。

なんぢら人を審(さば)くな。審(さば)かれざらん爲なり。己(おの)がさばく審判(さばき)にて己(おのれ)もさばかれ、己(おの)がはかる量(はかり)にて己(おのれ)も量らるべし。何ゆゑ兄弟の目にある塵を見て、おのが目にある梁木(うつばり)を認めぬか。視(み)よ、おのが目に梁木(うつばり)のあるに、いかで兄弟にむかひて、汝の目より塵をとり除かせよと言ひ得んや。僞善者よ、まづ己(おの)が目より梁木(うつばり)をとり除け、さらば明かに見えて兄弟の目より塵を取りのぞき得ん。(聖書・マタイ傳七ノ一〜五)

(梁木(うつばり)=天井を支える太い木のこと。)

このようなキリストの言葉もあるのも思い出したが、少々のことだったら、自分にひどいことを言われても「オマエモナー」と笑って流せる人になりたいものだ。

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