明治風?のレストラン

2004/05/21

仕事の帰り道、新しいレストランを発見したので寄ってみた。「馬車道」という名前で、つい最近出来たらしい。

一部の人には既に有名かも知れないが、まるで“はいからさんが通る”みたいな女学生風の袴姿でお給仕をしてる、とってもレトロなレストランだという噂を以前から聞いていたので、レトロ好きの私としては何としても一度は入ってみたい店であった。

いざ店に入ると、キタ―(゚∀゚)―!! 噂通り、本当に紫色の袴に矢羽柄の制服、そして靴は黒い編上靴といった出で立ちのレトロなスタイルのウェイトレスがお出迎え。ただし、店の中は私が思っていたほど明治風でもなかった。私の基準が厳し過ぎるだけかもしれないが。

さて明治というからにはカレーライスとかトンカツのような当時ハイカラだったメニューが並んでいるものかと思いきや、予想は外れた。イタリア料理、特にパスタがメインの店だった。明治レトロの店なのに、イタリア料理とは何でやねんと突っ込みを入れたい気持ちを抑えながら、「はいからぐるめ」というセットを頼むことにした。内容は日によって異なるし、一部は選択できる。私の頼んだ組み合わせでは、ミネストローネスープ、サラダ、「文明開化ハンバーグステーキ」、ガーリックトースト、ゆずシャーベット、ポットティーといった具合。でもって1,580円。

それにしてもまあ、お給仕が明治風スタイルというだけでも、こんなに面白い体験になろうとは思ってもみなかった。「色気より喰い気」の私は、給仕は男だろうが女だろうが若かろうがおばさんだろうが、註文を取って食事を運ぶ仕事を果たしていればそれでよい、女給に萌えるなど軽薄だ、という考えであって、普段レストランに入っても、やれデニーズの制服は素敵だの、あのウェイトレスの女の子は可愛いだの、そういったことは全然気にせず、黙々と食べてる方だ。私にとって秋葉原は自分の庭のようなものだが、さすがに最近出来たというメイド喫茶は一度も行った事がない。しかし、私がこれまで見落としていた、ウェイトレスの外見というのも実はレストランの大切な要素の一つなのだということに、初めて気付かされた。紫や緑の矢羽の着物を着た、“はいからさんが通る”の紅緒さんみたいな人がいっぱいで、そんなウェイトレスが次々と食事を運んでくるというだけでも、本当にメルヘンチックなショウの様で楽しいではないか。もちろん、このレストランは単にウェイトレスの服装がレトロ風というだけであり、ちゃんと真面目な店であるので、その点は誤解せず安心していただきたい。

さて、お味の方はというと、私としては十分満足である。文明開化ハンバーグステーキは肉が軟らかくて味も良い。紅茶はちゃんとポットに入って出てくる上に、砂糖は角砂糖というのが大変重要。スティックシュガーで砂糖を出されたんじゃ、せっかくのレトロ気分が台無しだから。もちろん紅茶の風味も良いし、たっぷり入ってるのでたっぷり味わえる。とは言え、私はそれほど味の細かい点に気付く方ではないので、実際に味わって確かめていただきたい。惜しむべきは、パスタを食べてこなかったこと。普段滅多に食べられない生パスタもあるらしいし、今度行った時こそは是非挑戦してみたい。また、この風変わりな店に他の知り合いも誘ってみたいものだ。

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