ある意味「気狂いにも公平な」インターネット(2/2)

2004/08/31

また、トンデモ学問系とか、トンデモ文芸系のサイトというものもいろいろある。まあたとえどんなデタラメを言っていようが、自分のサイトだけで完結していれば、そして誰かを中傷したりしてなければ、誰も文句言わないだろう。それなら良いのだが、残念ながら一部に迷惑サイトがある。どことは言わないが、自作の詩とかサイトの宣伝を不特定多数の掲示板にスパム投稿するようなサイトが一部にあり、あちこちで顰蹙を買っている。

私がこの話題を出したのは、精神病患者一般に対して何か悪い感情があるからではない。むしろ私は周囲の人が気味悪がるほど、精神病を抱えた人に寛容であると自負している。ただしその人が他人に危害を与えないならという条件付きであるが、私の人生経験の限りでは、その条件に合う人もむしろ多い。誇大妄想ゆえに周囲の人が気味悪がって話し相手にならなかった統合失調症気味のオジサンの相手をしたことが何度あるだろう。鬱病である・だった人も知り合いに何人もいて、中には自殺した人もいる。工事業者としてだけど、精神病院の鉄格子の中に入った事もある。うちの掲示板に鬱や精神病的症状の見られる人が書き込みをしていても、スパム投稿とか中傷のように迷惑をかける人でない限りは原則として受け入れてきた。

最後の事であるが、残念ながらインターネットでは、ある人が精神病による妄想や幻覚に基づいて他人を非難しても、本人が正気で言ってるのか妄想なのかを見分けるのが時に困難な事もある(もちろんインターネット外でもそのような事があり、周囲の人に見当違いな非難ばかりしていたある人が精神的におかしい事を何ヶ月も見破れなかった事を私自身体験している。しょっちゅう付き合っていた人はすぐ気付いたらしいが、たまにしか会わなかった私たちは、その人が引っ越していく時に我々に何とも失礼な別れの挨拶をしてやっと気付くまで、ずっと信じられなかった事を覚えている)。「その人が間違った事わざと言うわけがない。あなたが悪いんでしょう」と、夏目漱石の言葉を借りるなら「なぐられた人がわるい」ことにされてしまうことも多い。

精神的におかしい人に危害を加えられる事は、半ばタブーとされているデリケートな問題を含むだけに、一旦濡れ衣を着せられると、それを晴らすのが大変なことも多い。とは言え、悪いことにされてしまった「なぐられた人」も、必ずしも、死ぬまでこの状態が続くとは限らないだろう。非難した本人が「どこかおかしい」ことの尻尾が、いつ出て、みんなも納得してくれる日が来るかわからない。あるいは濡れ衣を晴らすまでに至らなくとも、時の経過と共に攻撃が沈静化するかもしれない。このような事態に陥ってしまった人も、いつか事態が改善される日が来ること、そして精神病の妄想に悩まされている人は、いつかそれから解放される日が来ることを切にお祈り申し上げつつ、今回の文章を締めくくる事とする。

*)戻る

0)前のページ