「知り合いから教わる知識はタダ」か(2/4)

2003/03/18

こういう、人に質問するばかりで自分から調べる努力をしない人のことを、俗に「教えて君」と言う。これは何も今に始まったことでも、パソコンに限ったことでもなくて、わからない単語を国語事典や英和辞典で調べるのを面倒臭がって安易に「生き字引」に聞く人も多く、これも古典的な「教えて君」の一種だろう。生き字引は大抵、語学に強いものだが、教えて君は学ぼうとする努力を抛棄しているから、当然、語学力の成長が鈍ってしまう。もちろんこの法則はパソコンにも当てはまるもので、人に聞くよりもまずは自分で調べるのを優先する人ほど、パソコンの上達が断然早い。

さて、「無料パソコン教室の先生」諸氏は、こういう「教えて君」にどう対処したら良いだろう。ここで、学校の先生や家庭教師の教え方を思い出していただきたい。算数の計算の仕方を教える時に、解き方を教えずに算数ドリルの答えだけ教えても無意味である。確かに答えは合っているかもしれないが、それでは自分で問題解決する能力が育たない。同じ事で、パソコンの使い方を教える時、まあ最初はお手本を見せるが良いが、相手の自己解決能力を育てること、これを目標にしなくてはならない。聞かれた事をいつでも一から十まで教える必要があるとも限らない。ライオンの母親が子供を崖から落とすのと同じで、時には自己解決能力を育てるために自分を鬼にして相手を突き放す必要もあろう。

突き放すと言っても、必ずしもきつい言葉を浴びせる必要もない。自分で一から十まで教える代わりに「ヘルプで○○というキーワードで検索すれば載ってるから読んでみれば」「googleで○○というキーワードで検索(以下略)」で済ませることができるなら、相手も問題が解決して納得し、また自分で調べる方法がわかる上に、自分も時間の節約になる。一石三鳥である。もっとも、これで済むなら話が早いのだが、これで済まないこともよくあるのが苦労するところだ。

あまりしつこく呼び出される場合は、自分が忙しい事をいつもアピールするのが一つの助けになるかもしれない。また、パソコンを教えたりサポートをするのは、本来なら家庭教師料金程度でも済まない高い技術料がかかることも、何かのついでに話しておくと良いだろう。技術料の一例を紹介する。

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