「知り合いから教わる知識はタダ」か(4/4)

2003/03/18

私が思うに、以上の例は一般的な相場からしても安過ぎるくらいであり、一回呼べば数万円は確実にかかるという、高級バー並に料金がかかる会社はゴマンとある(会社としてやっているなら、やっぱり、それくらいもらわなくては採算が合わない)。それを、知り合いだからと甘えて何もかもタダでやってもらい、しかも自分が覚えようとする努力は抛棄して、なお悪いことに、自分の覚えが悪かったり、自分が無理難題ふっかけて相手ができないことの責任を相手になすり付ける、ともなると、何と虫の良い話なのだろうと思わざるを得ない。

幸いにして私は、ここまで極端な「教えて君」に出会ったことは今のところ無いし、良識ある人が多いのでむしろ感謝しているほどだ。私がコンピュータでおまんま喰ってることを知っていて、本来なら「その知識に金を払わなくてはいけない」ことを重々承知していることも、理由の一つにあるのかもしれない。それを考えると、コンピュータを扱うことが直接仕事でない人は、その知識が本来はタダでなくて当然であり、タダだとしたらあくまでも好意である、ということを理解してもらうのが難しいだろうから、可哀想に、苦労も多いかもしれない。しかし、ローマは一日にして成らず。野球選手やサッカー選手やヴァイオリニストやバレリーナと同じことで、その人がコンピュータを上手に操れるようになったのは、ある日突然のことではない。毎日毎日の隠れた秘密特訓の賜物である。たとえ本職でなくとも、その努力を正当に評価して欲しいものだ。それじゃ金さえ払えば、時々飯さえおごれば良いかというと、そういう問題じゃない。そういう見返りよりも何よりも、相手の都合も少しは考えるとか、気遣いの方がもっと大切だし、自分の教えた人が努力し上達していく様子を見る事こそ、教える側にとって何よりの励みになる。

面白い事に、「教えて君」も、その「無料パソコン教室の先生」が自作ソフトをインターネットで無償公開していると聞くと、今度は「勿体ない。売れば儲かるのに」と言う事が多いのだ。それなら、まずはその「教えて君」に売りたいところなのだが、答えは、知り合いなんだからケチケチせずにコピーしてくれよ、だろうか。

*)戻る

0)前のページ