郵便為替を使ってみよう


 預金口座の開き方、現金書留に郵便為替に銀行振込。生活に必要なことなのに、なぜか学校で教えてくれません。社会人になって初めて知った方も多いでしょうし、社会人になっても郵便為替や小切手のシステムは利用する機会が少ないためか、知らない人は結構多いものです。

 しかし、問うは一時の恥、問わぬは末代の恥。今知らなくても別に恥ずかしいことでもなし、今から知ればいいこと。喜んでお教えしましょう。


郵便為替のシステム(特に定額小為替)

 遠く離れた相手にお金を送るのでよく知られているのが,現金書留や銀行振込を使う方法です。しかし現金書留は切手代が高いですし、銀行振込も手数料が結構かかることがあります。そこで、金額が大きくない場合は定額小為替(ていがくこがわせ。郵便為替の一種)を使うと比較的安い手数料で送金することができます。

写真:2000円の定額小為替の表面・裏面(偽造防止のため解像度をやや低くし、「見本」の文字と斜線を入れてあります)


  1. まず郵便局で郵便為替を買います。「為替」というと何か特別なものかと思う人もいるかもしれませんが、郵便切手と同じくらい簡単に買えます。「為替」と書いてある窓口に行き、例えば「500円の定額小為替をください」と言って510円(うち10円は手数料)を払うだけでOK。違いと言えば、郵便局でないと買えないこと、小切手と同じサイズであること、切手と違い手数料がプラスされること、くらいのものです。
  2. なお、郵便為替は、「普通為替」として自由な額面でも発行してもらえますが、普通は額面の決まった「定額小為替」を使います。
    例えば500円の為替を振り出すのに,普通為替では手数料が100円ですが,定額小為替ならたった10円と、手数料が格段に安くなるからです。
  3. 郵便為替を普通の郵便で送ります。ちなみに普通に現金を送るよりは幾分か安全なので、書留を使わないでも大丈夫ですが、万一の配達途中での盗難を防ぐため、透ける封筒は避け(できれば二重封筒、つまり封筒の中に紺色の中袋のある封筒が良い)、便箋でくるむなどして外から見えないようにしましょう。
    なお郵便為替には「受取人指定」欄がありますが,特に指定がなければ,そこを空欄にしておくのが暗黙の了解です。

 送る側のやることはここまで。以下,受け取る側の説明になります。

 ちなみに、小切手を銀行で払い戻したことのある方は、ほとんど同じなのですぐわかるでしょう。

  1. 受取人は郵便で郵便為替を受け取ります。
  2. 郵便為替を受け取ったら、表面の「上記の金額を受け取りました」の下の部分に自分の住所と氏名を書き,判を押しましょう(認め印でOKです)。それを郵便局へ持っていくと現金を払い戻してくれます。なお身分証明となるものが必要なので,免許証か保険証などを持参しましょう。

銀行振込

 銀行振込は銀行のATMでできます。「振込」ボタンを押して必要事項を入れ、最後にお金を入れます。最近のATMは振込に小銭も使えるのが多いです。

 銀行振込には自分も口座を作らなくちゃいけないのでは、という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは全く必要ありません。銀行口座を全く作ってない人でも振り込めますので安心してください。

 ただし、どこかの銀行に銀行口座を作っている人は、ATMに送金したいお金を入れる代わりに、自分の預金から引き落として送金することができます。この方が手数料が安くなりますのでおすすめです。インターネット経由で、自分の預金口座から銀行振込できるサービスを行っている銀行もありますが、24時間いつでも家にいながらできますから非常に楽です。

(例題)相手が以下の銀行口座に以下の金額を振り込むよう指定しました。しかし自分は銀行口座を持っていません。どうすればいいでしょうか。

すみれ銀行 日比谷支店 (普)1234567 鈴木祐二(スズキ ユウジ)
振込金額:\3,000

(解答)

  1. まずは銀行に行きましょう。もしあなたの近くに「すみれ銀行」があるなら、そこから振り込んだ方が振込手数料が安くなります。要は、振込先と同じ銀行から振り込む方が手数料が安くなります。もしない場合、他の銀行からでも振り込めますが、手数料が少し高くなります。
  2. 銀行のATMのうち、「振込」と書いてある機械を探しましょう。その機械から振り込めます。
  3. ATMで「振込」のボタンを押し、以下の項目を入力します。
     相手の銀行名と支店名。すみれ銀行、日比谷支店です。
     相手口座の種別。(普)は普通、(当)は当座[*1]なので、「普通」を選びます。
     口座番号。普通は7桁です。1234567です。
     振込金額。\3,000です。
     あなたの氏名と電話番号。これがないと、だれからの入金なのかわからなくなって相手が困ってしまうので、必ず入れることになっています。
  4. その後、確認画面が出てきます。ここで、これまで入力した内容が正しいかどうか、相手口座の名義(スズキ ユウジ)がちゃんと正しいかどうか確認します。
  5. その後、お金を入れるようメッセージが出てくるので、そこで入金すればOKです。なお、入金金額にプラスして手数料もいくらか取られます。
  6. 銀行によっては、「振込カード」を作るかどうか聞いてくることもあります。この「振込カード」とは、相手の口座番号などをいちいち入力しなくても、次回からはカードを入れれば同じ相手にまた振り込めるものです。この先、同じ相手に何度も振り込む必要があるなら作った方が便利ですが、そうでなければ作らなくていいです。
     なお、この「振込カード」は相手に振り込む以外には使えない(あなたの銀行口座から金を引き出すことなどはできない)ので、紛失してしまっても心配ありません。

[*1]当座預金 会社向けの預金口座。利子はつかないが、小切手や手形を発行する際に利用する。信用の置ける会社が審査を経て作れる口座(だって手形を発行した後、支払日前にトンズラされちゃったら銀行も困ります。そうでなくとも、手形の支払日にこの預金がなくなっちゃってたら会社は倒産です)。


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