ママ4 第1話:「赤ちゃんが降ってきた」

放映:1992 1/10 OP:愛を+ワン(益田宏美) ED:この愛を未来へ(益田宏美) KW:コンパクト,タイムスリップ,お別れパーティー,プレゼント,ミルク GC:年上のなつみ,パパ,赤ちゃん,若いなつみ,いづみ,大介,犬 [最初の原稿; Pascalはコメントを一緒に入れる機会がなかった]

[タイトル画面]

強い嵐は,全速力で来ている。家の中で,ママが自動朝食機に明日の 朝ご飯(スクランブルエッグ,コーヒーなど)を選んでセットしている間, パパは装置にはんだごてを当てて修理している。台所を去ると,彼女は 自分の犬モリーにぶつかりそうになる。そして,夫にパーティーに 遅れないよう急いでほしいと頼む。彼の作っていたものはすぐに完成し, 彼は妻のなつみに手渡す。それは中に鏡と赤いライトのあるコンパクトで, 開くとベルが鳴って光るのだった。その時,パパはこれもまた作った 二つの小さなハートのうち一つを赤ちゃんに付けると,階段の途中で, そのトランシーバが動くかどうかテストする。なつみは彼に感謝するどころか, 急いで用意するよう叫ぶ。そこで,彼は急いで二階へ行くが, 階段の上に2個目のハートを気付かずに落としてしまう。

--メモ1:コンパクトと2つの小さなハートには,どれも2つの 大きな"MM"の文字がある。それは赤ちゃんのイニシャルなのかもしれない。 そのことについて何も語られてはいないのだが…

--メモ2:なつみは黒くて長い髪の毛である。しかし,パパは頭の 後ろや下からしか映っていない。それで,彼が黒い髪であるという点を 除いて,われわれは彼について全く知らない。ほとんど忘れていたのだが… われわれは,OPの間彼の顔を非常に短時間見ることができる!

その時なつみは,ウサ耳頭巾の付いたピンクのベビー服を着た小さな 女の赤ちゃんに,そのハートが付いているのを見付ける。彼女のブロンドの 毛は,頭の上で結ばれている。なつみは彼女に,いづみおばさんの漫画賞 受賞パーティーへ行くことを話す。特別なことがある日なので,宝石箱からピンクの 輪ゴムを取り出すと,彼女の髪に結んで"おしゃれ"する。彼女の初めての お呼ばれなのだ。すぐに,パパは彼のネクタイを捜しに,急いで降りてくる。

外では,嵐はちょうど家の上を通っている。そして,雷がアンテナを 打ち,そして,前に赤ちゃんが座っているテレビセットまで通っていく。 画面が緑色になり,まぶしい光が光ると,赤ちゃん,コンパクト,トート バッグを囲む。赤ちゃんは楽しそうに空中に浮かんでいる。戻ってきた なつみは,緑色の光に閉じ込められ,目の前で消えていく赤ちゃんをただ 見つめるほかなかった。彼女は叫んだ。赤ちゃんはまだ笑っているが, 今トートバッグやコンパクトと一緒に長い長いトンネルを旅していくよう である。

場面は変わって,短くて黒い髪のかわいい学生,水木なつみは,ロンドンに 移った両親のところへついていくことになっているので,学校でお別れ会を している。彼女の友達は,彼女を忘れないと誓い,たくさんのお別れの プレゼントをあげる。彼女の友達の一人,えり子は,彼女のお気に入りだった ウサギのぬいぐるみをプレゼントし,そしてタマエは,ロンドンでは食べられない だろうと,なつみに特大せんべいをプレゼントする。

-メモ3:なつみの友達えり子は,白鳥由里が演じているが,彼女は 「姫ちゃんのリボン」で姫ちゃんの姉,野々原愛子も演じている。

遠くでは,黒い髪をポニーテールにして,左耳にピアスをしている少年が, ひとりで窓ぎわに残り,厳しい目つきでなつみをじっと見つめている。 なつみは彼に注目すると,舌を出す。

そして,「クラスのミタカ・シュン」[「めぞん一刻」のしゃれ^_^] 深沢君は,同じように歯をキラキラ光らせながら,彼女のところに来て, なつみのためのプレゼントがないことを謝る。なつみの顔は赤くなる。 [彼女が彼を愛していることは,明らかである]

なつみのクラスメートは最後に,大泣きしながら,最後の抱擁をする。

帰り道,なつみは,結局転校ってのも悪くないな,と思う。 たくさんプレゼントをもらったのだから。しかしすぐに,例の黒髪の少年, 大介が自転車に乗って彼女のわきを猛スピードで過ぎていく。彼女はもう 少しで転びそうになる。彼女は彼に,気を付けて乗っていないからだと 大声をあげる。彼は彼女に,ボケーッと歩いていたからだと言い返す。 怒鳴りあって口論したかと思うと,すぐ彼らは互いにけんかを始める。 大介は結局逃げてしまうが,なつみにオルゴールを置いていった。中には こんなメッセージがあった。「ロンドンに行っても泣かされるなよ!」 [オルゴールは,オープニングテーマを演奏する]

警察署で,勤務中の警官は,老婦人にコンビニエンスストアとは何の ことか,そしてどこにあるのかを説明するのに骨折っている。彼は,一緒に 行きましょうと申し出て,買い物袋を持ってあげる。しかしその時,近くで サッカーをしている子供は,ボールを止めて欲しいと叫ぶ。それで彼は ボールを受け止めるが,老婦人の買い物袋を地面に落としてしまい,中に 入っていた瓶が割れてしまう。なつみは,この警官はちょっとドジだと思う。

なつみの家の前で,タクシーの運転手は,トランクに最後の荷物を入れ, ロックする。なつみの両親は,まだなつみが学校から戻るのを待っている ので,彼にもうちょっと待つよう頼む。その時,なつみは駆け足で着く。 そして,彼女の母は,思いがけず今日ロンドンに発たなければならないと 告げる。なつみは一緒に行きたがっているが,彼女の分の航空券が 取れなかったので,あしたまで待たなければならない。更に,彼女の おばさん,いづみは,明日の朝会いに来ることになっている。最後のキスの あと,彼らは去る。母はなつみに,ママはいつでもあなたのそばにいるわ, と言い,父は彼女に,いづみおばさんは犬が嫌いだと注意する。 ひとりぼっちのなつみは悲しげに,テレビを見ることにしようと思う。

スクリーン上では,テレビで恐ろしい映画をやっていて,金髪の 少女が,巨大な角のある怪物の斧によってまさに切られるところである。 それで,なつみはそれをすぐに消す。彼女は今日もらったせんべいを 食べながら,子供を置いてきぼりにして外国へ行ってしまった両親のことで 不平を言う。彼女の犬,ボビー[年上のなつみの犬,モリーに似ている]の 写真を見て,今一緒にいてくれたらなぁと思う。しかし,いづみは犬が大嫌い なので,連れ去られていた。なつみは,前からいづみが好きになれなかったと, 口に出して不平を言う。

その時,彼女には強い嵐が来るのが聞こえる。そして,電光がアンテナを 打った時,テレビスクリーンは緑色になる。そして,赤ちゃんとコンパクトと トートバッグがそこから飛び出すので,なつみは驚く。

[CM break: -OP: いづみ,なつみ,みらいとボビーがフルートとみらいのMMマークの 入ったハートの後ろから飛び出す; -ED: なつみがMMマークの大きなコンパクトを転がし,みらいがその上に 落ちてくる [とてもカワイイ] ]

ソファーの後ろに恥ずかしそうに隠れたなつみは,何もないところから 現われた赤ちゃんをもっと近くで見ようと,頭を出す。緑色の光が 消えると,なつみは,腕で赤ちゃんを捕まえる。しかしまた怖がって, ソファーの上に放り出す。すぐに,彼女はその女の赤ちゃんは本物だという ことに気づき,ニッコリ笑う。

しかしその時,まるでだれかが家に入りたがっているような,正面玄関 からの奇妙な音を聞く。それが泥棒かもしれないと思って,なつみはテニス ラケットをつかむ。そして,抜き足差し足でドアに歩いていく。そして, ドアが開くと,なつみは泥棒の頭の上にラケットを振り下ろす。停電が 復帰した時,なつみはわかる: それは,いづみおばさんである。

今,いづみはひたいの上に濡れタオルをのせたまま,ソファーに 横たわっている。なつみが彼女に謝るので,いづみは,事情を説明する: 彼女は,姉(なつみの母)に頼まれたので,一日だけここに来た。だが, なつみの世話を引き受けるつもりはない。だから,自分のことは自分で しなさいと言う。そして,彼女は何か冷たい飲み物を持ってきてと,なつみに 大声をあげる。

なつみが冷蔵庫の中を捜している間,赤ちゃんは,いづみのところに やってきて,彼女の頭を軽くたたく。それでいづみは起きて,大きな声で 叫ぶ。なつみは赤ちゃんがどこから来たのか説明する。しかし,いづみは 大きなウソだとして決して信じず,そして,その代わりに, 恥ずかしそうに退いて,犬と赤ん坊が嫌いだと叫ぶ。 彼女は,なつみの呼び方も好きではなかった。「年取った婦人」みたいな 「おばさん」ではなくて,子供が年上の人をもっと親しみを持って言う 「お姉さん」と呼ばれる方が好きなのだ。しかし,なつみは,彼女は 母の妹なんだから,「お姉さん」ではなく「おばさん」と呼ぶのだ, と答える。[うーん,……日本人が人を呼ぶ典型的な言い方である。 これがあまりに理解不能なギャグでなければいいのだが]

なつみは,彼女が空から落ちてきたから,赤ちゃんは天使に違いない, と付け加える。しかしいづみは,同じ意見ではなかった。そしてなつみが 再び説明するにもかかわらず,この赤ちゃんはだれかによってそこに連れて 来られたのではないかと思う。そこで,彼女は警察を呼んで,まかせてもらおう, と決める。なつみは,今日見たドジな警官に,赤ちゃんを渡したくないのだ。 しかし,願ってもないことに,電話は通じない。多分雷のためだろう。 なつみはいづみに,今晩赤ちゃんを置いておきたいとお願いする。 彼女は同意する。非常に疲れているので,議論してられないのだ。なつみは 床の上に落ちて鳴っているコンパクトに気づかない。

寝る前になつみは,いづみに彼女がどんな漫画を今書いているのか尋ねる。 そして,「おばさん,おやすみ」と言うが,いづみは気に入らない: 「お姉さんと呼べ!」

いづみは,非常に疲れていて,まさに寝入るところだったが,なつみが 彼女の部屋に急に入り込むと,赤ちゃんを抱いて,助けてほしいと叫ぶ。 いづみは,ぷりぷりしながら起きあがり,おなかがすいてんでしょ, ミルクをあげなさいよ,と大声を上げる。これを聞いて,なつみは 自然に,そして無邪気に答える,「ミルク?あたし出ないよ。 おばさんのをあげてよ」[^_^;;]

そしてなつみは,赤ちゃんと一緒に来たトートバッグの中身を見に行く。 そして,粉ミルクとほ乳びんを見つける。彼女は,それを少し温める。 そして,これくらい温めれば十分かどうか,おばさんにさわって確かめてもらう; だが実際には,これでいづみの頬はやけどしてしまう。彼女は,赤ちゃんに ミルクを全部飲ませる。

その時いづみはふとんに戻る。しかし待つひまもなく,なつみがすぐに 部屋に駆け込んでくる。赤ちゃんが泣き出したからだ。いづみは,かんかんに 怒ると,赤ちゃんを外に連れていけ,と叫ぶ。なつみは半泣きだ。

そしていづみはまさに寝入るところである。彼女は家が急に静かに なり過ぎたことに気づく。「まさかあの子…?」彼女は考える。しかし, なつみと赤ちゃんはどこにも姿が見えない: なつみは赤ちゃんと一緒に 家を出ていったのだ。

なつみは,近くの公園へ赤ちゃんを連れて行くと,自動販売機で温かい 飲み物を買いにいく間,ベンチの上に彼女を置いていく。

いづみはとても心配になって,ちょうど通りを走って捜しにいく。

なつみが飲み物を選んでいる間,ベンチの上に残された赤ちゃんは, 毛布の中で激しく寝返りを打つので,草の上に落ちてしまい,這っていって しまう。彼女は結局,暗がりの中の陰気な目をした恐ろしい動物にぶつかる。 なつみは戻ってくると,赤ちゃんが全然いないので,あわてふためく。

しばらくして,いづみはなつみに出会い,大泣きする。二人は一緒に 赤ちゃんがどこに行ったのか探す。そして,なつみが今までに行かなかった ベンチの後ろの草を捜す。すぐに,いづみは赤ちゃんを見つける。なつみの 犬ボビーがくわえていたのだ。いづみは,叫び声をあげる(彼女は,犬が 好きではない!)。そして,ベンチの後ろに避難する。なつみは, 赤ちゃんとボビーを見つけて,とてもうれしそうだ。そして,一緒に泣く。

家に戻ると2人の少女は口論している。なぜなら,なつみは自分で 赤ちゃんを育てることに決めたからだ。彼女は,なつみのようなたかが 小学生に赤ちゃんの面倒をみることなどできないと言う。なつみは怒って, ここはあたしの家よ,この家のことはあたしが決めるもん,と言い返す。 おばさんが口出しする筋合いはない,というのだ。 今度はいづみが怒って,礼儀というものを教えなきゃいけないようね, と断言し,なつみの頬をつねる。しかしまた,なつみはおばさんの脚を蹴る。

赤ちゃんとボビーは,二人を見て楽しんでいる。そして本当の 取っ組み合いになろうとしている時,コンパクトが鳴るのがテーブルの 下から聞こえてくる。これは何だろうと不思議に思っていると,突然, 非常に混信している中から,あわてふためいて叫んでいる女性の声が 聞こえてくる。「もしもし,もしもし,聞こえますか?もしもし??」

[つづく]

P-chan 1994 11/9 00:26

Japanese version: translated by Kan-chan 1996 9/14 16:10

(Courtegy by P-chan. Merci!)