おたくになりたい
後悔公開講座

家庭内の平和を守る方法

 私としては、男が少女漫画を読むことは別に恥ずかしいことじゃないと思います。「女の読み物を読む男など、軟弱者の非国民めが!」などという言葉、むしろ男尊女卑のにおいがして嫌いです。そう、こういうものは、堂々と買って、堂々と読んで、堂々と本棚に並べておけばいいのです。
 しかし、家庭内には必ずしもあなたと同じ様な考えの人ばかりではありません。嘲笑や説得や廃棄処分、極端な場合は暴力に訴えたり、勘当という手段を取る者もいます。どんな動機が背後にあるのでしょうか。また、できるわけ摩擦を最小限にとどめる工夫はあるでしょうか。

コソコソと、それとも堂々と?

 私の経験からすると、堂々としていながら、しかし部屋の見えるところには少女漫画などを置かない、というのが最善のようです。

 少女漫画を見ることを反対する人がなぜあんなに反対するかというと、一番の理由が「体裁」なのです。「こんなヤツの家族だと思われたくないから、置いとかないで!」というわけです。
 これは物品に限らず、話題についても言えます。反対者のいるところで、あるいは反対者に噂しそうな人の前で少女漫画の話題をするなら、「こんなヤツが家族にいるという悪い噂が流れてしまって困る!」と過剰反応する、というわけです。
 また、嫌がっている人の目に触れるところに置いておくことは、慣れを強くしていくどころか、かえって不必要に刺激してしまうことが多いものです。反対を和らげようとして行なったことが、逆に反対の火に油を注ぐ結果になってしまっては、元も子もありません。また、家族の反対などなければ、堂々と本棚に置くなり山積みにするなりしたいことでしょうが、ここはぐっとこらえましょう。

 治安の悪い場所に車を停める時、車の中の見える場所に貴重品を堂々と置いておくのは愚かなことです。同じように、所持品を破壊されたり盗まれたりする危険があるなら、隠すのは正当なことであり、何ら間違ったことではありません。
 治安の悪いところで貴重品を隠す人は、何かやましいことをしているのでしょうか。 いいえ。それなら、危険から身を守るために少女漫画を隠すというのも、必ずしも「心にやましさがある証拠」などではありません。


隠すためのテクニック

皆さんもいろいろ工夫して、いい隠し場所を探してみてください。

それでも家族の理解を得たい

 家族の理解を得るというのは一筋縄ではいきませんし、一朝一夕にできるものでもありません。うまくいくかどうかはわかりませんが、幾つかの提案を挙げたいと思います。

1. 反対者の好みを知る
 例えば、少女漫画はダメだけどキティちゃんは非常に好きだとか。あるいは普通の少女漫画は嫌いだけど「ちびまる子ちゃん」なら大丈夫とか。最近の少女漫画は知らないけど、昔に「小さな恋のものがたり」を読んでたからその話題なら付いていけるとか。そういう共通の趣味の話題があるなら、将来それが反対を和らげる突破口になる可能性も全くないとも言えません。

2. プレゼント攻勢
 「男がそんなの持ってるのは絶対おかしいけど、私とか女性ならOK」という人の場合、まずはプレゼント攻勢です。
 何かのきっかけがあった時で構いません。「おみやげに買ってきた」「安かったから」「好きそうだから」と言って、相手の好みに合いそうなものをプレゼントするのです。
 ここで注意しなければならないのが、たとえばあなたが「さくらちゃん」や「どれみちゃん」が好きだからといって、さくらちゃんグッズやどれみちゃんグッズをあげれば、すぐさくらちゃんやどれみちゃんに理解を示してくれるという訳ではありません。相手がさくらちゃんやどれみちゃんが大嫌いなら、かえって迷惑なプレゼントになるだけです。
 ですから、相手にとって、「もらっても差し支えない」と思えるものから始めましょう。わからない場合は、大抵無難なサンリオグッズあたりから様子を見ながらやってみるのがいいかもしれません。
 私など、たれぱんだグッズを男が持ってるのはおかしいと母に言われ続けてましたが、ぬいぐるみやら、東京駅みやげのたれぱんだパイやらをおみやげとして母や妹にプレゼントしてるうちに、あまり言われなくなってきました。

 人間は、自分のあまり知らないものには抵抗を感じやすいものです。携帯電話で見知らぬ相手に掛けてる姿は気味悪い(うそ!普通の電話もそうなのに!)とか、異常なコミュニケーションツールだなどと酷評する中年・老人のほとんどは、携帯電話を使ったことのないためでしょう。そんな人も、仕事の都合などで携帯電話を使い始めれば、そういうことはあまり言わなくなるでしょう。それと同じ理屈です。


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