CD-RはフロッピーディスクやMOなどと異なり、記録は一度きりで、失敗するとその1枚は無駄になってしまいます(マルチセッションといって、一度書いたディスクにデータを追加できるモードもありますが若干の制限もあります)。しかし、記録したディスクはほとんどどのCD-ROMドライブや音楽用CDデッキで使えますし、メディア単価も安いのも魅力です。
なお、いったん書き込まれたデータを消去して再利用できるCD-RWというものもあり、CD-Rと同じような方法で書き込みできますが、一枚の値段がCD-Rより高いですし、書き込み速度もあまり高速ではありません。また、大概どのCD-ROMドライブやCDプレイヤーでも使えるCD-Rと異なり、書き込まれたCD-RWはCD-RWに対応したドライブでないと読み込みできません。しかし、何度も書き換えることがあるのなら便利かもしれません。
650MBです。音楽CDなら74分入ります。
ただし、一部の音楽CDは74分を超えているものもあるため、その複製に役立つ80分ディスク(700MB)というものがあります。ただし、ドライブやソフトによってはうまく読み書きできないこともあるようです。
CD-Rは主流ブランドで1枚50円前後といったところです。今や、フロッピーディスクよりも安くて信頼性があるほどです。
台湾など海外メーカーのCD-Rは安いけど大丈夫だろうかと心配の方もいらっしゃると思いますが、実際には日本のメーカーの多くも台湾に生産を依頼しているほどで、大抵は大丈夫です。特に台湾メーカーの中でも有名な方のブランドなら、そんなに心配することはないでしょう。ただし、あまり名前の知られてないメーカーの製品には「紫外線に弱くて、窓側や車の中に置いておくとすぐデータが消える」「レーベル面の保護膜が薄過ぎるので、重ね置きしてこすれると、はがれやすい」といったハズレが、たまにあるので気を付けましょう。最初のうちは少量だけ購入し、消えても良いデータ用に使うことにして、しばらく使いながら信頼性を確認しましょう。
以下は今ではあまり気にしなくてもよいでしょう。
現在発売されているほとんどのCD-Rドライブは、音楽用CDの作成にも対応しています。例えば、レコードやテープの音声や音楽をサウンドボードで取り込み、それをCD-Rディスクに音楽用CDとして書き込めば、一般のCDデッキでも再生できる音楽用CDができます。また、CDをまるごと複製したり、複製したいトラックを選んでベストアルバムを作成したりすることもできます。
ただし、カーステレオの一部など、ごく一部のCDデッキで、CD-Rに書き込んだ音楽CDを再生できないこともまれにあります。
プレイステーションやセガサターン(以下、PS、SSと略す)のCD-ROMには、CD-Rで読み書きできない部分にコピープロテクト情報が書き込まれているため、その部分はCD-Rライティングソフトでも複製することは不可能です。あきらめましょう。
コピーコントロールCDといって、パソコンでコピー出来ないようになっています。
一部のCD-RドライブやCD-ROMドライブでは、CloneCDとかExact Audio Copyといった専用ソフトとの組み合わせにより、このようなCDでも正常に読み込みできる場合があるらしいのですが、それはたまたま運が良かっただけで、普通はコピーできません。できたとしても、普通の音楽CDよりも読み込みに余計に時間が掛かりますし、ちょっと面倒くさいです。
コピーコントロールCDは故意にデータエラーを入れてコピーを妨害する仕組みなので、当然音質は悪くなります。ビートの効いたJ-POPならその音質の悪さもあまり目立たないでしょうが、クラシックのCDには絶対入れて欲しくないものです(もしそうなったら、クラシックおたくは絶対黙っていないでしょう)。CDプレーヤのサーボ機構にも悪影響を及ぼす(実際、プレーヤが壊れることもある)ので、全く困ったものです。
そんなことはありません。この迷信を黙って信じ込むことほどの金の無駄はありません。
Adaptecブランドにあえてこだわるなら、それはそれでいいですし、SCSIカードの中でも信頼度No.1の製品である上に、WindowsやWindows98以降のシステム起動ディスクでも標準でドライバが用意されているので、金に糸目を付けず高性能と信頼性と便利さを取るというのであれば、Adaptecを選ぶのが一番無難な選択でしょう。
しかし、パソコンショップでン万の値札を見て、何で他の会社のSCSIカードよりこんなに高いのだろう、本当にAdaptecじゃないといけないのだろうか、と疑問に思う人も多いでしょう。
私もその一人であり、あえて7000円くらいの安物Ultra SCSIカード(IOI-4203U)で挑戦しましたが、このカードを選んだがゆえのトラブルなどというものは、特になく、エラー知らずでいつもすんなり書き込みできています。
その他にも、486マシンや初期の無印Pentiumには通用しても、K6-2マシンやPentiumIIマシンでは、もう時代遅れの、こんな迷信があります。(参考までに、私がCD-Rを使い始めた頃の動作環境はCPU K6-2 300MHz/RAM 64MB/HDD 6.4G + 1.6G/CD-R TEAC CD-R55S/SCSI IOI-4203U/ライティングソフト B's Recorder GOLD)
なお、CD-R All Writeというソフトは非力なマシンでCD-Rを焼くとき便利ですので是非利用してみてください。
さて、最近は転送速度の速さからか、ATAPI(IDE)にしろSCSIにしろケーブルがらみでもエラーが発生しやすいものです。SCSI接続のCD-Rが認識されなかったりハングアップする場合、終端の機器にターミネータが付いている(あるいはターミネーションスイッチがONになっている)かどうか確認しましょう。SCSIスキャナの場合、結構入手しづらいのですが、両側に50ピンメスと50ピンオスの付いたジェンダーチェンジャーみたいな形をしたターミネータというものがあり、これをスキャナとSCSIケーブルの間にはさむと途端に安定することがあります。それでもだめなら、他のSCSI機器を外すと途端にうまくいく場合があります(特に、外部に長いSCSIケーブルが付いている場合など)。
また、内蔵用CD-Rドライブを接続する際、「スマートケーブル」はあまり信頼性がないことがあるので、できるだけ普通のフラットケーブルを使いましょう。ハードディスクでもフラットケーブルや古いIDEケーブルでうまく認識されないことがあり、新しい普通のフラットケーブルに交換して直った経験が二度ほどあります。
現在発売されているCD-Rメディアは、高速で焼く事中心に設計されているため、低速での書き込みは、どちらかというと苦手です。40倍速対応等の高速メディアは特にそうです。
また、CD-Rの書き込みが不安定になる要因は、低速で発生しやすいものと、高速で発生しやすいものの二種類ありますが、どうも後者ばかり気にする人が多くて、前者は無視されがちなものです。コマ回しを考えてみてください。回転速度が速いうちは回転が安定していますが、速度が落ちると途端に安定が悪くなります。同じことで、回転の安定のためには、ある程度の速度は必要なのです。
よっぽど耳の良い人とか、ピュアオーディオおたくでもない限り、音楽CDを10倍速以上で焼こうが、それほど大きな違いはありません。音質の違いは焼き方の工夫よりもむしろ、CDプレーヤ側、つまりデジタルからアナログに変換される部分やそれ以降の部分にほとんどの要因があります。原音を忠実に再現する良いD/Aコンバータを持ち、アナログ歪みやアナログ雑音を徹底的に排除した、再生品質の良いCDプレーヤを買う方がもっと音質向上につながるでしょう。
もちろん、あまり書き込みが高速過ぎるとピットの形が崩れてCDプレーヤが信号を判別しにくくなるので、その意味では低速が良いというのは事実です。しかし、それがどうしても気になるとしても、今のメディアでは1倍速は少し大袈裟な気がします。2倍速か4倍速で十分でしょう。大切なのはどれほど低速に書き込めるかではなく、再生するCDプレーヤが読み出す信号パターンが、どれだけ正確ではっきりしていて読み出しやすいか、です。CD-Rとドライブの組み合わせによっては、むしろある程度高速で焼いた方が安定した信号を記録出来るものです。