アヤシイ電話セールス・傾向と対策

こんな電話、かかってきたことはありませんか。
一つでも心当たりのある方は、注意信号です。


20歳になって、突然見知らぬ人からの電話が多くなった。

 卒業したばかりの学生や20歳になったばかりの社会人が、まず狙われます。20歳の誕生日以降、最低1年間はご用心。なお最近は、学生をねらうパターンも多いので、もうすぐ20歳という人も用心するに越したことはありません。


いわゆる“ブリッ子”の声の見知らぬ女性からの電話。

 これはもちろん、若いオトコを引っかけるためのエサ。
 でも、“怪しいオンナ”から電話がかかってこなくなったら、今度は男がかけてくることも。いろんなパターンで攻撃してくるので注意。


うるさいBGMがかかっている。

 大抵、ユーロビートのうるさいBGMがバックに流れている。若者受けを狙っているだけかもしれないが、もしかしたら、ホントはもっと深い理由があるのかもしれない。絶え間なく続くビートで頭をちょっと麻痺させて、セールスメッセージを受け入れやすくするとか……

……と当初は思っていたが、「隣で別のテレホンアポインターが電話をかけている声を、うるさいBGMでかき消す」というのが、どうやら本当の理由らしい。


ファーストネームで呼ぶ。

 “親近感”を抱かせるために違いない。しかも、私の場合、難しい漢字の名前であるにもかかわらず、正確に呼ばれたということは……


家族の人が電話を取り次いだ時、友達のふりをしてだます上、身元を明らかにしない。

 「もしもし、横島と申しますが、太郎さんいらっしゃいますか?」と来る。「どちらの方ですか?」と聞いてもはぐらかしたり、「太郎さんの友達です」とうそを付いたり、「そうやって聞くのなら、いいです」と電話を切ったりする。要するに、どうしても本人以外には知られたくないらしい。

 家族の者が「うちの息子には、そんな名前の友達なんていませんけど」って答えたら、「でも、親にも言えないことって、ありますよね」なんて答えてボケツを掘ることになったテレホンアポインターもいたそうな。(そんな返事など、本当の恋人ならまずしないし、最初にポケベルや携帯で連絡を取り合うのが常識。)おめでたい人だ。

 身元をしつこく聞きただしたり、「旅行会社の人でしょ?」って聞いたりしたら、「何言ってるんだ、馬鹿野郎」と、向こうから勝手に電話を切られてしまうこともあるらしい。

 会社からの電話なら、はじめに会社名を名乗るのが最低限の常識。とは言え、彼女たちが使っている名前とか会社名も、架空のものかもしれないけど……


「資料を送ったのに、返事がなかった」などとウソを付く。

 「以前このような資料をお送りしましたが、ご覧になられましたか?」などと言われる。そんな資料など送られていないはずなのに、とにかくそう言われる。

 似たパターンとして、電話セールスで家族の者が出た場合、「太郎さん、いらっしゃいますか? あたしの所に何度も電話がかかってきたんです」などと言うこともある。だけど、もちろん君は電話番号すら知らないのだ。(実際、彼女の電話番号を聞こうとしても「引っ越しの最中で、電話番号が変わる」とか「今は実家からかけている」などと言ってはぐらかすし、しつこく問いただしてやっと教えてくれた番号もデタラメだったが)

 これは、カモの注意を引きたいためだろう。すぐ想像できる。エデンの園での蛇の誘惑にも似たる古典的なテクニックに、決してだまされてはいけない。

 何の説明会なのかはっきりさせない上に、日付・時間限定で電話を受け付けている、というところもアヤシイ。


説明会で詳しい説明があり、誘いだそうと必死になっている。

 突然遠くで説明会、しかも用事がある、と答えると「じゃ何時頃まで?」なんて大きなお世話。相手が説明会に出て当然、とまでの強引なペースで会話を続けるふてぶてしさ。

 だけど、説明を聞きに行ったら、「わざわざここまで足を運んだのに、契約しないなんてもったいない」と言われるのがオチ。

 普通だったら、資料の1枚や2枚くらいあったっておかしくないはずだし、会員になる見込みのある人には喜んで送ってくれたっていいはず。やっぱり、ウラがあるのだ。


相手が怪しいことを見抜いて電話を切ると、嫌がらせする。

 話の途中でガチャ切りしたり、相手が怪しいことをはっきり言葉にすると、その後何度かいたずら電話を掛けたり、放火するみたいな脅し文句を言うことがある。相手はなかなか果たせないノルマに(おび)えて気違いになっているのだ。この反応は、あらかじめ覚悟しておくこと。決してひるむな!!

 可能なら通話内容を録音しておくことをおすすめする。脅迫があった場合、証拠さえつかんでいれば怖いものなし。警察に提出する資料になる。


対策

 怪しいセールスだと気付いたら、話の途中でも構わずガチャ切り。これが一番効果がある。ただし、相手は逆切れして、その後いたずら電話を何回かかけて来るかもしれないが、しばらく我慢。次第に飽きてやめてくれる。

 家族の人が電話を受けたとき、聞いたこともない名前なのに、「誰々さんの友達です」と言って電話がかかってくるというのは、一番怪しい。とにかく、身元と用件をしつこく問いただすのが一番! どんな関係の人なのか尋ねたり、住所や電話番号などを聞き出そうとすると、運のいい場合は、向こうから電話を切ってくれるので助かる。

(ちなみに、いくらしつこく聞いてもホントの電話番号を教えてくれることは、まずないと見てよい。デタラメであることが多い。それから、君自身は、ホンモノの恋人との連絡は、ポケベル(最近はPHSや携帯も)で取り合おう(持っているなら)。恋人をかたってるくせに、ポケベルの番号すら知らないなんて怪しい、ってすぐわかる。)

 家族の人が「太郎、横島さんって友達から電話よ」って君に受話器をバトンタッチしたとする。君が電話に出て初めて、「こちらは株式会社○○○の横島と申します」と社名を名乗る。当然だが、これは、向こうが友達だとウソを付いていることになる。これは絶対に怪しい!

 もちろん、「説明会がありますが、いつ頃予定が空いていますか?」という質問には、「聞きません」「関心ないので聞きません」「忙しいので予定は空いていません」とキッパリ! 資格商法の場合は、相づちの「はい」とか「いいです」「結構です」は禁句だそうな。因縁を付けられることがあるので注意。

 とにかく、傾向をつかんで、それに応じた心構えさえあれば、なんにも怖いことはない。大丈夫だ。同じような経験をした先輩に聞いてみるのも助けになるだろう。

 それでも、どうしてもダメな場合、各都道府県や市町村の消費者生活センターに聞いてみるの一つのいい方法である(市町村の窓口で聞いてみよう。パンフレットなども用意されている)。電話によるセールスだけじゃなくて、マルチまがい商法、資格商法、霊感商法などいろんな分野のトラブルの相談に乗ってくれるはず。


1997年3月補足:

 最近、訪問販売法が改正されて、電話によるセールスもクーリングオフの対象になりました。クーリングオフとは、セールスマンと契約した後「やっぱり要らない」と思ったら、一定の期間までに手続きをすれば、こちらから一方的に契約を取り消すことのできる制度です。この件に関する詳しい情報は、各都道府県/市町村の消費者生活センターから発行されているパンフレットに載せられています。(手抜きでゴメンナサイ)


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