参考資料

 いわゆる“差別表現”問題や“差別表現”言い換え問題等について扱っている本を紹介します。

〈放送禁止歌〉 森達也 著、解放出版社 発行。 ISBN4-7592-5410-2 \1800
 「竹田の子守歌」「イムジン河」「ヨイトマケの歌」など、放送禁止歌になった歌は、テレビ局の過剰な自主規制に原因があったことを暴く。当時放送禁止になった歌のリストあり。

〈徹底追及 「言葉狩りと差別」〉 週刊文春 編、株式会社文藝春秋 発行。 ISBN4-16-349320-4 \1400
 マスコミの自主規制語リストあり。また、主立ったものに関する解説と反論あり。筒井康隆、安岡章太郎、井上ひさしも寄稿。

〈『ちびくろサンボ』絶版を考える〉 径書房 編、径書房 発行。
 言わずと知れた「ちびくろサンボ」絶版問題に関し専門に扱った本。絶版までのいきさつや、絶版に関する賛否両論を掲載。ヘレン・バナーマンの原著も掲載。

〈差別表現の検証〉 西尾秀和 著、講談社 発行。 ISBN4-06-210622-1 \2000
 差別表現問題についてマスメディアの視点から扱う。「差別語」という言い方を極力避けて「差別表現」と言うよう心がけていることは私も同意する。だがその一方で幾つかの言葉をはじめから「明白な差別語」とレッテルを貼っている二重基準(ダブル・スタンダード)には注意されたし。しかしながら、マスメディアでの様々な事例が載せられているため、差別表現問題研究者にとっては役立つ資料。

〈差別語からはいる言語学入門〉 田中克彦 著、明石書店 発行。 ISBN4-7503-1497-8 \1800
 筆者は差別表現糾弾そのものは支持するものの、もっと質を向上させよという立場。漢字は覚えるのが困難な反民主主義的「めいわく文字」だ、という左翼的発想は私には引っかかるが、しかし、大和言葉を俗っぽく、シナ語や英語を洗練されたものと勝手にみなして、大和言葉の《差別語》をシナ語や英語に置き換えていくのはどうだろうと疑問を差し挟んでいるところには私は同意する。「片手落ち」の「片」は「片隅」や「片田舎」と同じ「欠如詞」(一揃いの片方が欠けていることを表す接頭辞)であるという説や、略語がイデオロギー的意味を持つ事があるという例、「殺す」「ほふる」「屠殺」の違いなど、興味深い内容が多い。

〈差別 部落問題入門〉 東上高志 著、三一書房 発行。(絶版?)
 1959年発行。現在よりも部落差別の厳しい時代の本。杉山清一の小説「特殊部落」への糾弾など、当時の「差別小説」「差別報道」についても扱う。(資料は古いと思う。部落解放同盟の現在の見解は、当時と違う部分もあるかもしれない)

〈融和資料第壹輯 融和促進〉 喜田貞吉 著、中央融和事業協會 発行。(絶版)
 大正15(1926)年発行。著者の喜田貞吉は古代史の研究家として有名。いわゆるヱタが差別されるようになった歴史的背景、水平社の糾弾とそれによって生じた「触らぬ神に祟りなし」の態度(この問題は昔からあったことに驚き)、真の融和とは何か、などについて扱う、現代の私たちにとっても非常に啓発的な資料。何しろ、わかりやすい言葉で説明しているのが本当に良い。(非常に参考になる資料なのですが、何しろ古い本なので入手は難しいかもしれません。しかし既に著作権が消滅しているため、本サイトで全文公開することにしました。)


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